世界中のベトナムの新年

ベトナム語で「テト・グエン・ダン」としても知られるテトは、ベトナムの新年、春節、旧正月で、ベトナムで最も重要なお祝いです。 

テトは家族の再会、贈り物、特別な料理、活気にあふれる公共イベントに焦点を当てた主要のお祝いです。ベトナムでは同じようなテトの伝統を祝いますが、地域や家族によって異なります。

このRemitlyガイドでは、ベトナムでの一般的な新年の祝い方を話し合い、世界のどこかで伝統的なお祝いをするアイデアを共有して行きます。

ベトナムのテトはいつ?

テト・グエン・ダンとも呼ばれるベトナムの新年の日付は、ベトナムの太陰暦に基づくため、毎年変わります。一般的に、休日は1月下旬か2月初旬です。

この重要なお祝いの日付は変わりますが、ベトナムの暦は中国が最初に発展させて太陰暦に基づくため、普通は中国の新年と同じです。

2024年にはテトは2月10日に始まり、ベトナムの大晦日は2月9日となります。

大晦日とテッグエンダンの間は、ベトナム人が「チュックムンナムモイ」(明けましておめでとう)と言うのを聞くでしょう。

ベトナムのテトの伝統

ベトナムの新年の伝統には、公式なテトの祝日が3日間あります。その間はほとんどの企業がお休みで、人々は家族と一緒に旅行します。しかも新年を迎える準備として追加で数日休みを取ります。

家族は、自宅で重要な春の掃除を行い、休暇の贈り物や特別な食品を購入し、ご馳走を作る準備をします。

テト初日は、核家族のために用意されます。その翌日からはベトナムの家族は友達や大家族を訪問して時間を過ごします。

厳密にというわけではありませんが、従来、テトの2日目に友達を訪問します。訪問中に前年の話をして、主催している家族に新年の挨拶をします。

ベトナムのテトの3日目は、ベトナムで重要人物である教師のための日です。生徒は今の、または以前の教師を訪問して、敬意を表します。場合によっては、お祝いの3日目にお祝いの雰囲気の場所に仕事関係者もお互いに訪問します。

最も一般的なテトの伝統をいくつか見て行きましょう。

祝祭日

ベトナムでは、新しい太陰暦の開始では丸1週間祝祭日です。政府機関、学校、多くの会社がお休みなので、誰もがテトのお祝いに参加できます。

お年玉

テトの初日に子供達は、年輩の人からお金の入った封筒をもらいます。この伝統は、北ベトナムではmừng tuổi(明けましておめでとう)、南ベトナムでは lì xìと呼ばれています。

一般的には、子供達は新しい衣服を着て、お金を受け取る前に、年配者に伝統的なテトの挨拶をします。

最初に家に入る人を決める

ベトナム人は、その年に最初に家族を訪問する人が丸1年の運を決めると信じているので、最初に招待されていなければ、初日に家には絶対に入りません。

テトに家に入る最初の人になる行為は、xông đất、 xông nhà、またはđạp đấtと呼ばれ、それを実行することが、テトの間に最も重要な儀式のひとつです。

ベトナムの伝統によると、新年の初日に家族に良いことが起こると、その年も祝福に溢れると言われています。

そのため、各家族が正しい人が扉を通り抜けることを願っています。家の持ち主は普通、成功している家族メンバーか友達に主人役を務めるように頼みます。

ゲームをする

ホーチミン、ハノイ、その他の都市では、行商人が通りでゲームを準備し、子供達はそこでお年玉を使うことがよくあります。新年のお祝いお間に家族が遊べる伝統的なゲームもたくさんあります。人気のゲームを一部ご紹介します。

  • Danh Du:どの 2人組チームが木製のスイングを高くできるのかを見るゲーム
  • Leo Cot Mo:滑りやすい棒を登ろうとする競争
  • Hat Bai Choi:歌が伴うカードゲーム
  • Dau Vat:敵が自由にキックとパンチうぃするレスリングの種類
  • Co Nguoi:中国のチェスが由来のボードゲーム

龍舞を見る

ベトナムでは、龍は悪霊を追い払うことができる幸運のしるしであると考えられている神聖な動物です。神話の動物は独特な形の舞を引き起こし、10~15人のチームが棒で取り付けた大きな龍の人形を操作します。

龍舞は、テトを祝ってベトナム全土で開催されます。休暇にベトナムを訪問する計画を立てるなら、参加するのに公共のものを探しましょう。自宅でプライベートな興行を主催する裕福な家庭もあります。

花市場でお買い物

テトの前か始まる時に、多くの家族がお花を売るオープンエアの市場に出向きます。そこで、アプリコットと桃の花を買い、休暇用に家を飾ります。

ベトナム人はお花とおもてなしを結び付け、幸運を招くと信じています。

ベトナムの伝統的な提灯を点灯する

テトではお花だけが伝統的な装飾ではありません。多くの人々がお祭りに提灯も吊るします。

ベトナムの伝統的な提灯は、紙か絹で作られる場合があります。さまざまなサイズや形があり、普通は装飾の仕上げの雰囲気として、下から吊るす飾り房がひとつあります。

お寺を訪問する

地元のお寺はテトの間ずっと人気の場所です。人々は賽銭して幸運を祈ります。僧侶も祭日の間は、訪問者のために占いをします。

音を立てる

他の多くの国と同様に、正式に新年を迎える夜中に音を立てることは一般的な伝統です。これを行うと悪霊と前年の悪運を追い払えると信じています。

ベトナムの家族は花火を打ち上げたり、ゴングを鳴らすことがあります。場合によっては家族全員が、鍋やフライパンを叩きます。

家族の神棚を作る

親戚訪問がテトの重要な部分であるのと同じように、亡くなったベトナムの家族に敬意を払うことは、お祝いの重要な部分です。先祖に敬意を払うために、家の中に家族の祭壇(仏壇)を作ります。

ベトナムの新年のタブー

旧正月の間にベトナムを訪問するなら、知っておくべきタブーがいくつかあります。

幸運を運び去る象徴なので、テトの間に掃除をすることはタブー、つまりxui(不運)です。それが、新年を迎える前に掃除をする理由です。

家族や友達に悪運をもたらさないように、新年の間に家族を最近失くした人が誰かの家を訪問することもタブーです。

テトの間、悪運を招くと考えられている数字の「7」を避けることも慣習です。数字と不運の連想は、ベトナム語でのその名前が「失う」や「逃す」という言葉と同じという事実に関係しています。

公共のテトの祝祭

当然ながら、世界最大のテトの祝祭はベトナムで開催されます。この祝日の間、ホーチミン市(サイゴンとしても知られています)が、東南アジア最大のテトの祝祭を主催します。

3日間の祝日のイベントは、大体150のパビリオン、国全土からの食べ物、古都シティセンターでのフラワーフェスティバル、大晦日の花火が特徴です。2004年には祝祭は、ギネス世界記録によると1.9トンの世界最大のテトケーキ作りもありました。

ハノイでは、旧正月には丸1週間多くのお店や会社が閉まります。公共の見世物には龍舞や獅子舞、民族活動、ホアンキエム湖での大きな花火大会などがあります。

ハノイ全体では、クアンバフラワーマーケットで象徴的なピンクの桃の枝を買います。何百もの供養台が縁石沿いにオールドクォーターの路地にあります。

北・南ベトナムのその他の主要都市では、花火、アート、パフォーマンスなどで独自のテトの休暇の公共祝祭を開催します。

テトの伝統的な料理

伝統は異なりますが、ほとんどのベトナム人はお祝いの一部としてテトの料理を食べます。多くの家族が新年を祝うために準備する、伝統的なベトナム料理をいくつかご紹介します。

バインチュン/バインテト

ベトナムの四角のお餅とも呼ばれるバインチュン(北ベトナム)またはバインテト(南ベトナム)は、四角のバナナの葉で、もち米、豚肉、緑豆を詰めて巻いたものです。巻くことで、茹でた後にお米が緑色になります。

言い伝えによると、バインチュンはフン王朝の間に登場しました。このケーキは地面を象徴し、祖先と地に感謝を示すものです。これは、文化において米と自然の重要な役割も強調しています。

現代社会のファストフードとは反して、バインチュンの作る過程には時間がかかり、複数の人が一緒に作業する必要があります。テトについてお互いに話をしながら、家族で順番に一晩火を確認することがよくあります。

ムット(果物の砂糖漬け)

ムットは、ベトナムの旧正月のお祝いの間に欠かせないおやつです。誰もが箱にカラフルな果物の砂糖漬けを準備ます。訪問者に渡したり、友達や家族に贈ったり、先祖に捧げます。

一般的には、ゲストはキャンディと炒ったスイカの種を食べ、数口お茶を飲みます。子供達は小さなスナックとして甘い果物を楽しめます。

ティットコーチュン

この料理では、角切りのベトナムのハムをニンニク、ナンプラー、砂糖、ココナッツウォーターに浸します。幸福の象徴なので、固ゆで卵をこの料理に使います。

豚肉と殻をむいた卵を数時間鍋で煮込んでから漬物(dua hanhとkie)と一緒に出します。

ソイガック

この赤い、固い米はガックフルーツから作られていて、大抵はベトナム料理で最も一般的な種類のソーセージ、チャールアと一緒に出されます。チャールアは豚肉で作られ、バナナの葉で巻かれています。

海外のテト・グエン・ダンのお祝い

海外に住んでいるベトナム人の間で、テトの伝統は祖国とは離れた家で新しい形を取っています。世界中で大きめのベトナム人コミュニティに住んでいる人々は(米国のベトナム人移民の約1,300万人 を含む)、大きな公共のテト祝祭を楽しめるでしょう。世界中で開催されている有名なものをいくつか見て行きましょう。

カリフォルニアのテト・フェスティバル

カリフォルニアは、米国最大のベトナム人の人々がいる場所で、毎年さまざまなテトの祝祭を主催しています。南カリフォルニアとベイエリアに住んでいるベトナム人の海外居住者は、手の込んだ方法でベトナムの新年の伝統を祝います。

1982年から毎年開催されている、南カリフォルニア・テト・フェスティバルは米国最大のベトナムの旧正月フェスティバルです。現在の開催場所は、コスタ・メサのOC Fair and Event Centerで、Union of Vietnamese Student Associationsがイベントを企画します。

多くの展示やギャラリー、キッチンカー、コミュニティパフォーマンス、先祖の祭壇の行進、伝統的なベトナムの村のレプリカなどがあります。フェスティバルは「竹上げ」セレモニーで始まり、「竹下げ」で終わります。

サンディエゴ・テト・フェスティバルは、カリフォルニアでベトナム文化を祝うもうひとつの大きなイベントです。3日間の祝祭で、ミラメサ・コミュニティパークで開催され、毎年25,000以上の人が集まります。Vietnamese Federation of San DiegoとVietnamese American Youth Allianceがイベントを実行します。

30万人以上のベトナム人居住者がいるサンノゼ(カリフォルニア州)は、Santa Clara County Fairgrounds で毎年サンノゼ・テト・フェスティバルを提供しています。Coalition of Nationalist Vietnamese Organizations of Northern Californiaが計画し、7万人以上の人が集まります。

その他の米国在住ベトナム人向けの新年のお祝い

ニューオーリンズでは、Mary Queen Church of Vietnamが大きなテト・フェスティバルを毎年開催し、推定3万人が集まります。教会は、ベトナムの聖者の遺物が揃った大きなコレクションで有名です。

1996年以降、シアトルのテトは、シアトルセンターで無料の2日間のフェスティバルを提供しています。アートディスプレイ、料理、音楽、多数のテトの伝統があり、ベトナム文化と現地のベトナム-アメリカコミュニティをお祝いします。

世界のその他のテト・フェスティバル

ベトナム人移民が2番目に多い目的地、オーストラリアではベトナムの新年の伝統がさまざまな都市でお祝いされます。

オーストラリアのメルボルンの毎年恒例テト・フェスティバルは、今まではサンダウン競馬場で開催されていましたが、2021年からオンライン開催になりました。典型的なイベントには獅子舞セレモニー、花火大会、ベトナム音楽、アート、文化提供物などがあります。

バーチャルイベントは、ファッションショー、テトの料理シリーズ、胃が気持ち悪くなる食べ物を食べる競技者が対象となるアイロン・ストマック・コンペティションが目玉です。Vietnamese Community of Australia (Victoria Chapter) がイベントを企画します。

2021年に中止されましたが、通常は、オーストラリアのベトナムコミュニティのNSW Chapterがシドニーのフェアフィールド・ショーグラウンドで毎年恒例ベトナム・フェスティバルを主催します。

カナダにもかなり多くのベトナム人移民がいて、いくつかの大都市で年次テト・フェスティバルを主催しています。イベントには、トロントのベトナム協会がこれまで主催したテト・コミュニティ・フェスティバルなどがあります。

自宅でベトナムの新年の伝統を祝う

テトの休日を祝い、ベトナムの新年の伝統を学ぶことに興味がある世界中の人々は、地元のベトナムコミュニティグループを探し出すべきです。ベトナムコミュニティ、文化センター、学生協会を提供するお寺や教会を調べましょう。

時々、テトの祝祭は中国人、韓国人、その他のアジアの人をもてなす大きめの旧正月イベントの一部として含まれます。

公共のテト・フェスティバルを近くで見つけられなくても、自宅でテトの伝統を楽しむ方法は数え切れないほどあります。ベトナムでテトがお祝いされている多くの方法からインスピレーションを得て、自分のライフスタイルに合うように順応させましょう。提案をいくつかご紹介します。

  • 気を配って春の掃除をするのに1日使う
  • キンカンの木か開花した桃の花 を買って、正面玄関の外に置く
  • 新しい衣類と髪型で自分をもてなす。両方とも一般的なテトの伝統です
  • 赤と金色の紙のガーランドで、家や部屋を飾る
  • テトケーキ、春巻き、ニガウリスープや、上述のその他の伝統的なテト料理を準備する
  • 家族や友達とご馳走を楽しみ、遅くまで起きて大晦日を過ごし、元気が出る映画を観て、ゲームをし、良い仲間と楽しい時を過ごす
  • ドライフルーツを大人に、赤い封筒いわゆる「お年玉」を子供にあげる。大切な人がベトナムにいるなら、こちらから、簡単にベトナムに送金する方法をご参照ください

どこにいてもテトを祝う

海外に住んでいる多くのベトナム人は、自分自身でベトナムの新年の伝統を作らなければなりません。頻繁にそれを行うことは、世界の新年の伝統について知りたがっている新しい友達に、ベトナム文化の楽しい祝祭、儀式、おいしいベトナム料理を紹介するということです。 

Remitlyの誰もが、テト・フェスティバルの季節に、皆さんの幸運と幸せを願っています。上で説明されている情報は、どこにいてもテト・グエン・ダンを祝う方法についてアイデアを与えるでしょう。

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